さまざまなウェブメディアや
『anan』『婦人画報』などの人気雑誌で執筆する他、
ご自身のBLOG『京都くらしの編集室』で京都ライフを発信している
京都在住フリーライター・江角悠子さん。
彼女ならではの視点で
京都のおつけもん屋さんを訪ね歩きます。
お店の個性やオススメの逸品、
ありきたりじゃない京のおつけもんが揃っています。
ツウな情報をお楽しみください!
京都ライター江角悠子の
京都おつけもん探訪記
Kyoto Otsukemon Exploration
Part.4
京漬物 福田本店
Kyo Tsukemono Fukuda Honten
京都市役所のちょうど北側、骨董店が軒を連ねる寺町通から少し西に入ったところにある「京漬物 福田本店」。創業は昭和3年、現在の店主・福田正夫さんで3代目となります。
2007年に全面改装した店舗は、古き良き伝統も感じさせながら、モダンな雰囲気も合わせ持つ。
店舗のすぐ裏が漬物を仕込む工房となっており、「作り手である私にも、お客様の声がダイレクトに届くので、ご要望があれば臨機応変に対応しています」と福田さん。地元の人にとっての「常のお漬物」でありたいという思いを大切に、家族で漬物作りに取り組んでいます。
最近スーパーでよく見るのが、減塩タイプや食べやすく味付けされた梅干しですが、福田さんは「昔ながらのしっかり酸っぱい梅干しを食べてもらいたい」と、塩分17%の自家製梅干しをグラム単位で販売。夏の時期には、熱中症予防にと購入する人が多かったそう。
また漬ける期間が長く、店頭に並ぶまで時間も手間もかかる古漬も販売するなど、「大衆向けではなくても、漬物専門店だからこそできるものも作り続けていきたい」と話します。
定番商品と、季節ごとの漬物が並ぶ店内。梅干しは大・中・小と、サイズごとに容器に入れられ、欲しい分だけ購入可能。
現在、福田さんは「京都府漬物協同組合」の専務理事も務め、漬物の更なる発展のための活動にも取り組んでいます。意外なことに、京都市内の小学校では、数年前まで給食に漬物は出されていませんでした。そこで、組合をはじめ京の料理人などが給食協会に働きかけた結果、2017年から京都市の小学校給食で初めて、漬物が提供されるようになったそうです。(すごい、そうだったんですね!!) 「昔から食べられてきた発酵食品は日本人の食生活にも合いますし、子どもの頃から食べ親しんでもらえたらいいなと思います」。
93歳まで千枚漬を漬けていたという初代の背中を見てきた福田さん。「祖父のように漬物に対する情熱を絶やさず、これからも一つひとつ思いを込めて漬けていきたいと思います」と熱い思いを語ってくれました!
イチオシ商品
壬生菜の古漬
1袋 432円
壬生菜は、京都市内の壬生(みぶ)地区で生まれた京都の伝統野菜。福田本店では昔からの味を守るため米ぬかで漬け込み、通常より時間をかけて、熟成させています。ぬかを水洗いをして、細かく刻んであるので、袋から出してすぐに食べられるのがうれしい。また生姜と醤油で味が整えてあるので、酸味が少なく、さっぱりとした風味に。温かいご飯やお茶漬けのお供に、またおにぎりに混ぜ込んでもおいしそうです!
京都ライターの
京漬物 福田本店
京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町72
TEL:075-231-6954
FAX:075-231-5423
営業時間:8:30〜18:00
毎週日曜日 休み(不定休あり)