さまざまなウェブメディアや
『anan』『婦人画報』などの人気雑誌で執筆する他、
ご自身のBLOG『京都くらしの編集室』で京都ライフを発信している
京都在住フリーライター・江角悠子さん。
彼女ならではの視点で
京都のおつけもん屋さんを訪ね歩きます。
お店の個性やオススメの逸品、
ありきたりじゃない京のおつけもんが揃っています。
ツウな情報をお楽しみください!
京都ライター江角悠子の
京都おつけもん探訪記
Kyoto Otsukemon Exploration
Part.3
京都・西陣 本家こじま
Kyoto Nishijin Honke Kojima
西陣エリアの北西、約200メートルにわたって続く「上千本商店街」の中に唯一あるお漬物屋さん。それが明治44年に創業した「京都・西陣 本家こじま」です。今回、お話を伺ったのは、4代目となる児嶋秀敏さん。父親から店を継いだ際に、「もう一度、漬物の原点に返ろう」と考案した「京醤油漬 西陣漬」は、今や同店の名物となりました。
昔は各商店街に1軒、その地域に愛されるお漬物屋さんがあったそう。
「近年広まった浅漬けとはまた違う、発酵させることで完成する本来の漬物の良さを味わってもらいたいという思いが、発端です」と児嶋さん。創業時の原点にも立ち返った、おいしい漬物づくりへの探求はもちろん、最近は、漬物離れが叫ばれる若者にもまず手に取ってもらおうと、パッケージデザインにもこだわっているのだとか。漬物のパッケージによくあるのが、パックしたビニールに印字されたもの。ですが、こじまでは紙のギフトボックスに入れて、好みの漬物だけを選んで詰め合わせできるセットを新たに作り、好評を博しています。
また、フランス産チーズを白味噌で漬けた「クリームチーズの西京漬」を、カットされたチーズを連想させる三角形の箱に入れるなど、思わず目を引くパッケージもあって、お酒好きの私は思わず食いついてしまったのでした(コクがあり濃厚で、白ワインにぴったりでした!)。
地元の常連さん以外に、京都らしさを体験できるお店とあって、旅行で寄ってくれるお客さんも多い。
また本店では、ぬか漬けづくりを体験できる教室を開催するほか、1日数組限定で同店のお漬物15品をお茶漬や、だし茶漬として味わえる昼食を提供するなど、いろいろな方法でこじまの漬物に興味を持って、親しんでもらえるようなサービスも積極的に取り組んでいます。店頭で漬け物に対する作り手の思いを聞きながら、味わう漬け物はやはり格別。体験後はすっかりこじまファンになってしまう…というのも納得です。
ちなみに、こじまのロゴマーク(かぶら)は、以前紹介した「京つけもの もり」とそっくり!と思ったら、なんと、もりの創業者となる方が、元々はこじまで修業、のちに独立したのだとか!もりのマークは、敬意を込めたかぶらのロゴマークだったのですね。気付いた人、いましたか?
イチオシ商品
胡瓜のしば漬・胡瓜の青しば漬け
各540円
京都の伝統野菜・壬生菜や嵐山エリアで生産される小松菜など、京都府産原材料を使い、昔ながらに発酵させて作ったお漬物シリーズ「京醤油漬 西陣漬」。全部で5種類ある中でも定番人気は、「胡瓜のしば漬」。キュウリにみょうがや生姜を加えて、醤油だしで漬けこんであり、まろやかな酸味と醤油のうま味が感じられます。よりコクがあるのが赤紫蘇で、さっぱりとした風味なのは青紫蘇。2つを食べ比べて、それぞれの違いを楽しむのもオススメ。
京都ライターの
本家こじま 西陣本店
京都市上京区千本寺之内下ル花車町473
TEL:075-461-2277
営業時間:9:00~18:00
水曜、日曜、年始 休み