さまざまなウェブメディアや

『anan』『婦人画報』などの人気雑誌で執筆する他、

ご自身のBLOG『京都くらしの編集室』で京都ライフを発信している

京都在住フリーライター・江角悠子さん。

彼女ならではの視点で

京都のおつけもん屋さんを訪ね歩きます。

お店の個性やオススメの逸品、

ありきたりじゃない京のおつけもんが揃っています。

​ツウな情報をお楽しみください!

京都ライター江角悠子の

京都おつけもん探訪記

Kyoto Otsukemon Exploration

 

Part.26

奥田しば漬本舗

Okuda Shibadsuke Honpo

 京都の山里・大原へは京都駅からバスに乗って北へ約1時間。有機野菜やお米、野花といった里の幸が人気の「里の駅 大原」から徒歩3分ほど距離にあるのが、「奥田しば漬本舗」です。今回お話を聞かせていただいた奥田和義さんは、父親が始めた店の跡を継いだ2代目。元々は農家として赤紫蘇づくりをしていたことが、しば漬作りを始めたきっかけといいます。現在も10反ほどの広さの畑を所有し、大原の地が育てる赤紫蘇を使い、しば漬を作っています。

 

 「しば漬は、ここ大原で育てた赤紫蘇でなければ作れません。大原の赤紫蘇を使わないとどうにもいい薫りが出ないんです。紫蘇の種も、昔から大原で育てているものから取れた種だけを使っています。ほかでは買えない貴重な種で、たとえ種が大原産であっても、苗を他の地域に持っていって育てると、同じようには育たない。薫りが全然違うんです」。

倉庫にずらりと並ぶ漬物樽。この空間を満たす独特の匂いは、乳酸菌によるものだそう。

 赤紫蘇の次に大切なのが、乳酸菌。しば漬のあの爽やかな酸味は、乳酸発酵されているからこそ生まれる風味です。倉庫を見学させてもらった際に見たのは、どれもほんのり白くなっている漬物石。「白くなっているのが、この倉庫特有の乳酸菌です。この乳酸菌があるからこそ発酵が進んで、大原ならではのしば漬けが完成するんです」。ちなみにこの漬物石は、京都市電の敷石として使われていたものを再利用しているのだとか。「ほかの重石もいろいろ試してみたんですが、この石でなければ思ったような味には仕上がりませんでした」と奥田さん。

倉庫横の工房にて、キュウリのお漬物を作る作業中。手作業が大半。

 しば漬に使う茄子は、中央市場から仕入れる国内産のみ。あとの原料は自家栽培の赤紫蘇と塩。「化学調味料などは、徹底的に使わない方針」だといいます。理由は、身体にいいことはもちろん、「その方がいくら食べても飽きないでしょ(笑)」と実にシンプルな答え。完成したしば漬は「奥田しば漬本舗」の商品として販売されるほか、問屋に卸すことも多いとか。

 

 浅漬けとはまた違う、しっかり乳酸発酵した漬物のおいしさを知ってもらいたいとの思いから、「漬物にもいろいろな食べ方があることを伝えていきたいですね。すぐきは刻んで焼き飯に混ぜるとおいしいんですよ」と教えてくれました。また、ポテトサラダに刻んだしば漬をアクセントして混ぜるなど、食材の一つとして料理に使ってもらうアイデアも模索中。インタビューの間中、とてもとても熱く漬物への想いを語ってくれた奥田さん。漬物づくりに対する揺るぎない信念とこだわり。その熱い思いが全て詰まっているのが、まさに奥田しば漬本舗の「しば漬」なのだなぁと実感したのでした!

イチオシ商品

刻み生しば漬

 原材料は、赤紫蘇と茄子、塩のみ。茄子のキュッキュッとした歯ごたえと、しっかりとした酸味で、これぞ「昔ながらのしば漬」を堪能できます。「一番オススメの食べ方は醤油をかけること」だそうで、ここに醤油の塩気が合わさったら、いくらでもご飯が進みそうです。みりんやポン酢をかけるなど、好みの味を見つける楽しみがあるのも手が加えられていない「生」ならではです。

ライター江角の

奥田しば漬本舗

京都市左京区大原野村町172

電話:075-744-2443

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